『新・亡国の女王の末路』(新約・『本国の双子姫』異聞)


「姫様。今日はご機嫌いかがですか?」
むかし、『本国』という国がありました。
その国で働く侍従達。
その中でも、とても働き者で本国の双子姫の信頼も厚かったお付きの侍従が居ました。
『侍女ちゃん』の愛称で可愛がられ、侍女ちゃんも甲斐甲斐しく双子姫をお世話していました。
特に、姉の姫には特別な感情もあったようです。
「私は、今のままが一番幸せ。」
侍女ちゃんには秘密がありました。
『本国』によって滅ぼされてしまった、『亡国』。
その忘れ形見でありました。
『亡国』の王族の血筋のみの遺伝、「赤毛」を髪を染め、
素性を隠し、『本国』で奉公人になっていたのでした。
そんな身の上でしたが、侍女ちゃんは幸せでした。
彼女がやってくるまでは…。
「先輩。次はなにをしましょうか! 」
ある日、侍女ちゃんの後輩にあたる新人が奉公にやってきました。
侍女ちゃんを「先輩」と慕う後輩。
彼女は「赤毛」。
そう、彼女もまた「亡国」の血筋でした。
その素性は、処刑され死んだと思われていた姉だったのです。
「あなたはこの国に復讐しないといけないわ」
素性を隠し暗躍していた『侍女(後輩)』。
遂にクーデターを先導し、成功させてしまいます。
双子姫達はみな捕らえられ幽閉されてしまいました。
「あなたがこの国の顔になるのよ。」
『侍女(後輩)』を演じていた女は『新・亡国の姫』を名乗り、
説得された侍女ちゃんは、『新・亡国の女王』となりました。
『本国』は『亡国』へと塗り替えられました。
そう…。9日後に自分が処刑されることになるなど思いもせずに…。
「わ、わたしはこんなことをしたかったわけじゃない…。」
戴冠から4日目。 「本国の姫(妹)」の処刑を命じました。
戴冠から5日目。 「本国の姫」の処刑を命じました。
戴冠から9日目。 裏切られ、自ら処刑台に立ちました。
処刑台の露と消えるその時まで、一度も笑うことが無かった彼女を、口をそろえて皆が言いました。
『冷血の女王』、と…。
その後、クーデターを画策した『新・亡国の姫』により、『亡国』は『隣国』へと
戦争を仕掛け、そのまま敗戦して滅びました。
『新・亡国の姫』は処刑の間際、狂ったように笑い、
「わたしの復讐は果たされた!」と言い残したということです…。
おわり。